2. リスナー
2.1. リスナーとは
前章で見たように、JMeterを使用すれば、任意の回数・頻度でWebサーバへリクエストを送ることができます。実際の負荷テスト等では、任意に発生させたリクエストについて、Webサーバの応答時間等のデータを収集する必要があります。
JMeterでは、テスト中に収集した情報を表示したりファイルへ保存したりするリスナーという機能があります。リスナーを使用すれば、送ったリクエストの統計情報を表にして閲覧したり、レスポンス時間をグラフにして閲覧したりすることができます。
リスナーには様々な種類がありますが、この章では、リスナー一般の使用方法と、基本的なリスナーについて解説します。
2.2. リスナーの使用法
リスナーで表示するデータを取得するために、ここでは、以下のような簡単なテストを作成しておきましょう。
前章の内容を参考にして、『テスト計画』に『スレッドグループ』を追加し、「スレッド数」を10、「Ramp-Up期間(秒)」を10、「無限ループ」のチェックをはずして「ループ回数」を3に設定します。
次に、『スレッドグループ』を右クリックし、追加 → サンプラー → HTTPリクエストを選択して、『HTTPリクエスト』を作成します。この『HTTPリクエスト』に適切なサーバ名とポート番号(通常は80)、プロトコル(通常はHTTP)、パスを記入します。
これで準備は整いました。いよいよリスナーを使用します。と言っても、その方法は簡単で、『スレッドグループ』から追加 → リスナーと選択し、使用したいリスナーを選択するだけです。このときに選択したリスナーによって、テスト中に収集された情報をさまざまな形で検証することができます。次節から、具体的にそれぞれのリスナーの動作を見ていきましょう。
2.3. 結果を表で表示
『スレッドグループ』から追加 → リスナー → 結果を表で表示と選択すると、『結果を表で表示』というリスナーがスレッドグループの下に追加されます。この状態で、メニューから実行 → 開始を選んでテストを実行すると、テスト実行中に蓄積されたデータが表形式で表示されます。
この表では、実行されたリクエストそれぞれについて、URL・応答時間(ミリ秒)・リクエストが成功したかどうかについて表示されます。1回1回のリクエストについての応答時間や結果を知りたいときには、この『結果を表で表示』リスナーを使用すればよいでしょう。
『結果を表で表示』リスナーには「全てのデータをファイルに出力」という項目があります。ここにファイル名を記述しておくと、テスト実行中に取得したデータをファイルに保存することができます。なお、この「全てのデータをファイルに出力」という機能は、ほぼ全てのリスナーが有しています。テスト結果を保存したり、後で利用したりしたいときは、ファイルに出力しておけばよいでしょう。