vFORUM2019に参加しました

これは 😺TECHSCORE Advent Calendar 2019😺の4日目の記事です。

はじめまして、山本です。
弊社クラウドサービスの基盤設計、構築、運用を主に担当しています。

同じグループに山本さんが2名いるため普段は名前で呼ばれております。
どうぞ、よろしくお願いします。

最新の仮想化技術動向の把握のために11月12,13日の2日間、vFORUM 2019に参加した印象についてまとめてみました。(vFORUMは、ヴイエムウェア株式会社主催のITカンファレンスです)

全体的な印象

今回のvFORUM 2019はVMware ESXiのKubernetes(K8s)のnative support(Project Pacific)およびNSX-T Data Centerのコンテナサポートが中心的な話題でした。ハイブリットクラウド、マルチクラウド対応としてVMware Tanzuの発表がありましたが、現場でのフローがイメージできるほどの情報は公開されませんでした。

セキュリティ関連はCarbon Black社の買収により、VMware ESXiやNSX-T Data CenterにCarbon Blackがnativeに組み込れることが発表されました。具体的なソリューションについてはまだこれからでしょうが、コンテナ化の推進で現在OS上で行っているセキュリティ機能はハイパーバイザー層やネットワーク層に移管し、全体的な安全性を担保していくと思われます。vSANについては目立ったアップデートは無いものの、順調に改善が進んでいる印象を受けました。

VMware ESXiでk8s基盤の運用を行えるのか?

弊社では私の所属するチームにアプリ開発チームより、オンプレミス環境で稼働させているDBにネットワーク的に近いところにk8s基盤を構築して欲しいとの要望が度々寄せられます。しかし、クラウド環境と異なり、オンプレミス環境にk8s基盤を構築するためには様々なマネージドサービスを自分たちで用意する必要があり、要望に応えきれていないのが現状です。vFORUM 2019ではVMware ESXiのKubernetes(K8s)サポートについてのセッションが多数用意されており、私たちの課題を解決するヒントが見つかることを期待していました。

セッションでも協調されていましたが、Project PacificによってVMware ESXiでKubernetesを扱えることにより、アプリ開発者はより簡単に、早く開発を進める事ができ、インフラエンジニアは従来のVMwareスキルセットを活用した運用が可能になります。しかし、実際の環境構築はセッションの発表よりはるかに難しいものになると思います。昨今、VMwareの製品ポートフォリオは複雑さを増しており、必要な製品が何であるのかを把握することが難しくなっています。

今回発表のあったProject PacificやVMware Tanzu、Carbon Blackなどが既存のライセンスで使用できるのか、新規購入が必要なのかで導入コストが大きく変わますし、製品体系、ライセンス費用などの情報公開が不足しているように感じます。

また、NSX-T Data Centerのコンテナサポートとあるように、Project PacificのみでKubernetes環境を構築することはできません。ワーカーノード用のロードバランサーとしてNSX-T Data CenterまたはVMware NSX Advanced Load Balancerが必要であったり、コンテナの動的ストレージ用にvSANが必要であったり、コンテナのイメージ管理のためにVMware Enterprise PKSが必要であったりします。

もちろんVMware製品を使用せずにOSSで構築することも可能ではありますが、非常に高いスキルセットが必要になります。VMware ESXiで構築したKubernetes環境運用はかなりシンプルで使いやすいものになると思われますが、vFORUM 2019の段階では設計および構築はかなり難しいと感じました。今後、VMware ESXiでKubernetes環境を構築するための包括的なソリューションの提示がされることを期待しています。

興味を引かれた製品群

機械学習を元にマイクロセグメンテーションのポリシーを提案してくれるVMware NSX Intelligenceや、LBおよびWAFの機能をサブスクリプションモデルで提供してくれるVMware NSX Advanced Load Balancer、マルチクラウドの管理をサポートしてくれるCloudHealth by VMwareなど興味深い製品が次々と登場してきました。

さいごに

今後、上記製品群の評価を進めていきたいと考えております。
評価結果について次の記事をお楽しみにお待ちください。

vFORUM 2019のセッション資料は登録が必要になりますが、以下のサイトのvFORUM ONLINEからダウンロードができます。
https://vforum.jp/tokyo/

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