【技術職(エンジニア)】
新卒面接における課題発表の狙い

これは TECHSCORE Advent Calendar 2019 の2日目の記事です。

※本ブログの内容は'20卒用の情報であり、次年度以降は選考内容が変わる可能性があります。

こんにちは、宮垣です。

私は、昨年末から今年の中旬にかけて、当社の新卒技術職採用(2020年卒)において、
2次面接の面接官を担当しました。
※採用詳細はこちら

2次面接では当社への適正と共に、技術職(エンジニア)として活躍してもらえそうかという点を評価します。
実際は、【面接(45分)+課題発表(15分)】の計1時間という割り振りで行いました。

面接パートでは、自己紹介・当社の紹介・エントリーシートを基にした質問、
被面接者からの質問回答等、通常の面接を行い、
課題発表パートでは、下記に記す「課題」について実施してもらうという内容です。

  • 「面接」    :当社の社員としての適正判断
  • 「課題発表」  :技術職(エンジニア)としての適正判断

という割り振りです。

今回は、2次面接の選考時に提示した「課題発表」という点にしぼって

    1. その「課題発表」をどういう意図で提示したのか
    2. その「課題発表」で被面接者の何を見たかったのか

という点を記録として残しておきたいと思います。
※1次面接通過後に課題内容を提示。2次面接までの期間に準備してもらいました。

課題内容

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課題(1)
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以下の3つの製品についてそれぞれの仕様を調査し、ブログ記事 1 つ分程度のボリュームでまとめてください。

  • fire tv stick
  • chromecast
  • apple tv

■補足
まとめ方は自由。
WordやPowerPointなど、ツールは何を利用してもらっても結構です。
2次面接にて内容の説明をしていただきます。
(詳細は、課題(2)を参照)

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課題(2)
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面接中、この件について15分程度の枠をとりますので、以下のお題に沿って説明をしていただきます。
#追加の資料を準備するなどは自由です。

■お題:「課題(1)の3種類の製品の購入相談」
相談者(面接官)に対して、どの製品が相談者の利用用途に合っているか導いてあげてください。

【相談者の状況】

  • 家にHDMI端子があるTVがある
  • 家にインターネット環境がある
  • 主な利用用途は、TVで動画配信サービスを視聴すること

課題発表の狙い

1.「課題発表」をどういう意図で提示したのか

エンジニアは、興味がある分野は自発的に習得する傾向がありますが、当然、知らない分野についても、
必要に応じて自ら調査・勉強し、身に付ける力(インプット)と、それを相手に伝える力(アウトプット)が重要であり、加えて相手(ユーザーや一緒に働く仲間)の考えや思いを聞きだす力も必要と考えています。

当社は、複数の開発チームを有し、プロダクトサービスを提供している企業であるため、
このポイントを特に重要視しました。

課題発表を通じて、「インプットの精度」と「アウトプットに取り組む姿勢」が測れるはずと思い
「対話形式」による内容のものが有効だと考えました。

※伊藤さん(弊社前CTO)の記事も参考にさせていただいています。

「もちろん、社内でのインタビューを通じてユーザーのニーズを把握するといったこともやっているのですが、これは聞き手のスキルに依存する部分もあって、課題の一つだと感じます。
エンジニアは、ともするとユーザーに「正解」を聞きがちになってしまうのですね。実際には、ユーザー自身も自分が本当に欲しいものを言語化して把握できているわけではありません。
それなのに「正解」を聞こうとしてしまうと、結果的に「これが欲しい」と言われたものをそのまま作ればいいやという話になってしまいがちです。
そうした状況を避けるために、メンバーにはよく「インタビューする際には自分なりの仮説を持っていくように」と言っています。」
引用元:Yahoo!JAPANの技術リードエキスパート対談

2.「課題発表」で被面接者の何を見たかったのか

・測るポイント

    1. 調査/情報収集能力         → 課題(1)
    2. 情報集約力             → 課題(1)
    3. 調査結果を理解し、身につける力   → 課題(1)・課題(2)
    4. 調査結果を正確に伝える力     → 課題(2)
    5. ヒアリング・提案能力       → 課題(2)

・評価ポイント

 1・調査資料の体裁・精度。
 2・全ての仕様を記載するのではなく、ポイントを押さえたものになっているか。
  (利用可能サービス・操作方法・特徴比較 等)
 3・調査資料に関する説明、及び、質問への回答がスムーズであるか。
 4/5・相談者へのヒアリングを通じて、制約条件(環境情報・実現したいこと等)を把握、
   事前の調査結果と総合して、相談者の望む提案ができるかどうか。

所感

私が相談者役となり約20名近く、被面接者と接しましたが、資料については十分な時間が取れたためか
一定の品質を満たすものが多かった印象です。

しかし、ヒアリングを経て相談者の利用用途に合うものを導くという点では、大きく差が見られました。
驚くほどスムーズに進めてくれたケースもありましたし、終始、資料説明に時間を割くケースもありました。

面接中の短時間で行われる課題(2)の実行について、どういった進め方をしようかと事前にイメージし、
十分な準備を行うことができたかどうかが、ポイントになったと考えます。

事前に想定質問集と、相談者の回答によって分岐するフローチャートのようなものを準備し、
相談に乗ってくれたケースについては、特に印象に残っているグッドケースです。

最後に、課題(2)の正解は特に設けませんでしたが、概ね「fire tv stick」を提案されることが多かったです。

ヒアリングしてほしかったポイントは以下でした。

    1. 使う動画サービスは、AbemaTV/Netflix/Amazon Prime
      #YouTubeは時々見る程度
    2. 普段使用するスマホ以外のタブレットを所持している。
    3. 価格にこだわりはない。ストレスなく操作できることを重視。
    4. 家にwifi環境がある。
    5. 使っているテレビは4K対応ではないため、画質にこだわりはない。
    6. ゲームのアプリを使うことは考えていない。
    7. Apple信者ではない。
    8. 物が増える(リモコンが別)ことになってもよい。

現時点では、次年度以降の選考の詳細は決まっていませんが、'20卒用の選考記録として残しておきます。

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