Debian(Stretch)で、Android Studio(2.1.3) の "快適" な AVD 起動環境を実現する

こんにちは、落合です。

開発用のパソコンといえば、Linux であり、Windows や Mac なんて持ってないよ。という方も多いと思います。
Android Studio の環境を整えるときのWEBなどの文献が Windows や Mac ばかりで、Linux について少なかったのと、Android Studio の開発環境で必須だと思われるAVD(仮想Android端末)の起動トラブルが多いようでしたので、手元の、Debian で実施した際のことをまとめてみました。

実際にやってみると、ハマりどころが結構ありました。

特に、KVM や OpenGL あたりの設定は確認しておかないと、どこが悪くて AVD(仮想Android端末)が起動しない(遅いとか)のか? の切り分けが難しくなってしまいますのでご注意ください。

本記事では、ハマらないように、Android Studio を設定する以外の箇所についてしっかり確認してから、Android Studioをインストールするといった流れになっています。

#本記事中のコマンドや画像の結果は、実際に私の "X Window System 上の Terminal" 等で実行したものです。

Android Studio 以外で注意深く設定を確認しておきたいこと

  • KVM(ハイパーバイザ型のLinux仮想化機能) が利用可能であること。
  • OpenGL を使った描画がアプリケーションから利用可能であること。

そういうわけで、まず環境の確認をしっかりしていきたいと思います。

環境の確認

  • OSやハードで確認しておくこと

  • KVM が利用可能かどうか?

  • OpenGL が利用可能かどうか?

glxgears_024

AVD を高速起動させるために事前に必要な設定

この項は、ハマるポイントですので、よく確認したほうがよいでしょう。

  • KVM の設定

・参考:https://wiki.debian.org/KVM

  • AVD起動に必要なパッケージのインストール

Android Studio インストールマニュアルなどに記載されておらず、私の環境でエラーとなった箇所なので先にインストールしておきます。
ちなみにこの手順を必要とした私のAndroid Studioのバージョンは以下のとおりです。

-------------------------------------
2.1.3 Build #AI-143.3101438
-------------------------------------

(ようやく…)Android Studio のインストール

  • Java 実行環境の整備

Oracle の Java をインストールしないと Android Studio が Warning をあげるので、ここでは素直にOracle版をインストールしました。
また、私は面倒なので、PPA を利用してサクっとインストールしました。

・参考:http://www.webupd8.org/2014/03/how-to-install-oracle-java-8-in-debian.html

  • Android Studioインストール

執筆時点でLinux版は 2.1.3 でしたが、公式ページ をご確認ください。

さてこれで、X上にアプリケーションが起動してきたと思います。

  • 環境を引き継ぐかどうか? 新規なので、デフォルト

Complete Installation_001

  • インストール方法について

※AVDもインストールしたいので、ここで、"Custom" を選択します。
Android Studio Setup Wizard_002

  • インストールの選択について

※"Android Virtual Device" にチェックをいれます。
Android Studio Setup Wizard_004

あとは、以下の画面まで迷わないと思います。
Android Studio Setup Wizard_006

ここで、Linux だと、KVM を使えば、AVD の起動が速くなるよ というようなことが書かれていますね。
#本記事ですでに設定していますよね!問題ないでしょう!

Android Studio初期設定

プロジェクトが1つもない状態で、./studio.sh すれば、以下の画面が出てきます。
Welcome to Android Studio_006
早速、"Start a new Android Studio project" を選択すると、以下のようにSDK の設定で怒られますので設定します。

SDK problem_008

  • Android StudioのSDK設定

上記のメッセージの通り、Android Studioのスタートメニューから
「Configure」→「Project Default」→「Project Structure」
と押下して以下の設定をします。
(私のユーザは unixadmin なのでホームが以下になる。)
Choose Android SDK Location_009

結局こうなります。
Welcome to Android Studio_010

SDK の設定が終わったら、
もう一度、"Start a new Android Studio project" を選択すれば、
初めてのプロジェクトが作成されます。

  • Android Studioのエラー表示の修正やアップデートなど

初めてのプロジェクトが作成されると、以下のような画面が出ていると思います。
My Application - [~-AndroidStudioProjects-MyApplication] - Android Studio 2.1.3_015
※ここで私の環境では、Gradle関連のエラーが出ていました。
上記のエラー箇所の リンク(Install Repository and ...)をクリックすれば
必要なものをダウンロードしてGradleのsyncなどが自動的に行われてエラーが出なくなりました。

  • Android StudioのSDKアップデート

「Tools」→「Androd」→「SDK Manager」を押下してUPDATEを行っておきます。
Android SDK Manager _002

AVD の起動

ここまで設定できていれば、AVD は起動するはずです。

  • AVD の初期登録

「Tools」→「Androd」→「AVD Manager」を押下して初めてのAVDを登録します。
以下は、私の環境で、適当にAVDを登録した時の画面ショットです。

(デフォルトだと、Andoroid 6.0が登録されるようです)
Virtual Device Configuration_017

(必要なものをDownloadする)
Virtual Device Configuration_018

(デフォルト)
SDK Quickfix Installation_019

(デフォルト)
Virtual Device Configuration_020

(初めてのAVDが登録された)
Android Virtual Device Manager_021

  • 登録したAVDの起動

「Actions」の⊿をクリックすれば起動します。
Android Virtual Device Manager_022

無事に起動する場合は、以下のように、
My Application - [~-AndroidStudioProjects-MyApplication] - Android Studio 2.1.3_023

「Creating filesystem with parameters:」 以降が数行出力されます。

  • AVD起動後の画面

私の環境ではこの画面が出るまで5秒かからないくらいです。爆速ですね!
範囲を選択_029

動作もとても機敏です。

もし、起動しない(真っ黒な画面で止まる、Android のロゴから先に進まない) などが発生した場合は、
本記事の
・KVM は正常に稼働するか?
・OpenGL が正常に稼働するか?
・Android Studio(AVD)が必要とするパッケージの apt install
・Android Studio のエラーの解消
・Android Studio の SDKアップデート

あたりをしっかりご確認ください。

また、

  • AVD の起動が途中で止まる場合 ADB(Android Debug Bridge) の起動を確認してみましょう

ADB が起動するタイミング は AVD を起動したタイミングです。

上記のように、5554,5555のポートがLISTENしていないのであれば、AVD は起動の途中で停止してしまうようです。
ここは、ハマった場合に確認してもらうと良いと思います。

まとめ

  • Linux での AVD の高速化には、KVM を利用する(Windows などとは異なる)
  • AVD を利用しないのであれば、Android Studio 自体の起動は簡単(実機での開発環境)
  • AVD を快適に利用しようとすると、Linux の環境そのものの設定がいろいろ(KVM とか OpenGL)必要でそれなりにハマる
  • 設定さえしてしまえば、非常にサクサク動いて快適

いかがでしたでしょうか?
Linux(Android)の開発は、やはり Linux でやりたいですね! それではよい Android開発ライフ を!

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